OVERVIEW

SiGN-BN(サイン・ビーエヌ) は遺伝子発現データなどの量的な計測データから、遺伝子ネットワークを予測・推定するためのソフトウェアです。 B-spline ノンパラメトリック回帰によるベイジアンネットワークを用いて、計測された発現データから遺伝子間の発現の依存関係(=遺伝子ネットワーク)を推定します。 遺伝子発現データは個人の細胞サンプルや遺伝子ノックダウン実験、薬剤投与による時系列データなどを用いることが可能です。また量的なデータであればよいため、タンパクの定量データなども使用可能です。 時系列データに対しては動的(ダイナミック)ベイジアンネットワークを,ノックダウン実験などの静的なデータに対しては通常のベイジアンネットワークを用いて遺伝子ネットワークを推定します。

SiGN-BN のバイナリは自由にご利用いただけます(Linux x86-64、富岳互換機のみ)またヒトゲノム解析センターのスーパーコンピュータ SHIROKANE にはインストール済みです。信頼性の高い計算にはある程度の規模の計算リソースが必要です。SiGN-BN の利用は SHIROKANE をお勧めします。

詳細は英語ページをご参照ください.

ACKNOWLEDGEMENTS

SiGN-BN は、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターDNA情報解析分野(〜令和2年3月)で開発されたアルゴリズム及びソフトウェアを元に、理化学研究所 次世代計算科学研究開発プログラム 「次世代生命体統合シミュレーションソフトウェアの研究開発プロジェクト (ISLiM)」 で開発され、現在は主開発者である玉田嘉紀が弘前大学にて研究・開発を継続しています。また東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター健康医療インテリジェンス分野の支援を受けています。

現在、令和2年度「富岳」試行的利用課題(早期利用課題)に採択され (HPCI 課題 ID: hp200194)、富岳向け開発・チューニングが行われています。

SiGN-BN の開発に必要な計算機資源は、ヒトゲノム解析センターのスーパーコンピュータ、 理化学研究所のスーパーコンピュータ RICC 及び「京」、名古屋大学情報基盤センターのスーパーコンピュータ、東京大学情報基盤センターのスーパーコンピュータから提供されました。これまで HPCI戦略プログラム分野1、文部科学省研究費補助金新学術領域研究「システム的統合理解に基づくがんの先進的診断、治療、予防法の開発」(平成22〜26年度)、文部科学省科学研究費補助金「大規模ベイジアンネットワーク構造探索並列アルゴリズムの研究」(平成27〜28年度)の支援を受けていました。また、ポスト「京」開発事業・重点課題2、及び文部科学省研究費補助金新学術領域研究「がんシステムの新次元俯瞰と攻略」の支援を受けていました。平成30年1月から令和2年10月までは京都大学 大学院 医学研究科 人間健康科学系専攻医療情報 AI システム学講座(〜令和2年3月)及び同専攻ビッグデータ医科学分野で維持・管理・開発が行われていました。